会長より:三重だより

「三重だより」
第56回日本アルコール・アディクション医学会
学術総会 会長 廣中直行


 学会のホームページで会長挨拶が更新されるのは異例のことかも知れませんが、準備の最新状況を知っていただき、参加をご予定の皆さまと合同学術総会を盛り上げたいと思いますので、今後も更新の可能性があります。
 さて第56回日本アルコール・アディクション医学会には多くのシンポジウムの企画をお寄せいただき、ありがとうございました。今回のシンポジウムには、精神医学、薬理学、内科学などの個別領域の枠にとどまらない「多領域」とも呼べる斬新な企画が多いように思われます。学際的色彩の強い当学会の持ち味が発揮されてきたと感じております。また、特別講演にはNIAAAのGeorge F. Koob所長およびScripps研究所のBarbara Mason博士をお迎えすることができました。ビデオでのご講演になりますがご期待ください。
 開催の方式についてはCOVID-19の状況を見ながら慎重に考えて参りました。状況認識については改めて述べるまでもありません。当学会は7月4日の理事会を受けて、オンライン開催を主体とします。ただし、現地参加も可能な「部分的ハイブリッド形式」を検討しています。会期後は一定の期間オンデマンド配信を行います。
⼀般演題の募集を開始いたしました。皆さま奮ってお申し込みください。本学術総会が日本のアディクション研究を力強く推進する原動力になりますように、お力をいただきたく存じます。

三重だよりNo2
日本アルコール関連問題学会三重大会・大会長
猪野亜朗(泊ファミリークリニック)


早いもので、三重学会まで後1ヶ月余りとなりました。
三重学会のHPにアップされたプログラムを見ながら、AA医学会との合同総会となっているメリットがお互いにあるのを感じました。大会テーマ「最新医学を共有した連携の発展:基礎・臨床・多職種・多機関・そして地域から世界へ~コロナ危機を乗り越えて~」に沿ったプログラムが組めているなと改めて思いました。 また、三重学会での「口演・ポスターの抄録」を査読させていただきながら、若い世代にも旧世代がやってきたことが伝わっているのを感じました。まさに、学会そのものが、「新旧世代間の贈る言葉」になっていて、全国各地で奮闘されている先生方の姿が目に浮かびました。
三重の地は、1970年―1980年代は関連問題学会関西支部になっていたので、大阪の「行政・医療・断酒会」の三位一体方式から多くを学んでいました(詳しくは「アルコール依存症治療を切り拓いた人-小杉好弘の診療活動と研究を振り返り未来につなぐ」:「中央法規出版」にあり)。
若い世代の皆様はご存じないと思いますが、大阪は西成・釜ヶ崎暴動が大きくニュースになる時代に、アルコール医療を展開した地域です。まさに「知恵と勇気」が詰まった取り組みです。
三重学会での「知恵と勇気」は、今風に次のように考えます。
「知恵」は、「エビデンスを習得すること」です。「エチルアルコールには発がん性があり、神経毒性(Neurotoxicity)がある」等、基礎医学的な研究成果から学ぶ場が学会です。依存症本人や家族と向き合う時、役立ちます。
「勇気」は、アルコール依存症治療は「怒りを伴う酩酊や離脱」と向き合う時、必要です。一人だけでは勇気は脅かされますので、「連携」によって、「勇気」を持ち続けることが可能になってきます。機関内の多職種が連携して「勇気」を確保するだけでなく、地域での連携によって「勇気」を高めることが可能になってきます。
三重学会での各種のシンポジウムから「知恵と勇気」を得て、互いに前進可能と思います。
このような意義を持つ三重学会は、現地、オンライン、1ヶ月間のオンデマンドも活用できますので、是非、多くの皆様に参加登録をお願いしたいと思います。